原子力発電所関連施設の
鉄筋・埋設物探査事例
厚いコンクリート躯体の内部を、鉄筋探査機で可視化する。
電磁波レーダ法(iRadar法)による探査で、原子力発電所および関連施設のコンクリート内部にある鉄筋、配管、電線管などを探査した事例をご紹介します。最先端ディジタル信号処理によって、過密配筋の奥側や深い位置にある埋設物の反応を見やすくし、改修・穿孔作業前の判断に必要な情報を、計測データとして可視化します。
原子力発電所関連施設では、厚いコンクリート躯体や過密配筋、施設ごとの作業条件により、一般的な探査手法では埋設物の判別が難しい場合があります。KGSでは、電磁波レーダ(iRadar法)を用いて、鉄筋・配管・電線管などの位置確認を支援しています。
本ページでは、実際の計測データをもとに、過密配筋下や深部埋設物の表示例、遠隔操作ロボットとの組み合わせ、持ち込み制限に配慮した端末構成をご紹介します。なお、原子力発電所関連施設での探査・技術指導の実績はございますが、当該施設で取得したデータは一切公開できないため、計測データの表示例には一般構造物などで別途取得した類似データを用いています。
躯体厚さ・配筋状態・対象物・X線使用可否・持ち込み条件など、分かる範囲でお知らせください。
原子力発電所関連施設で鉄筋・埋設物探査が難しい理由
原子力発電所関連施設の多くは、一般的なビルやマンションと比較してコンクリート躯体が厚く、内部には鉄筋や配管などが過密に配置されています。また、施設条件や管理上の制約により、X線探査を適用できない場合もあります。
従来の電磁波レーダ装置では、過密配筋の奥側にある深部の埋設物や、反射信号の比較的小さい非金属管などの判別が難しく、探査できない場合や、判定に時間を要して作業効率が著しく低下することが課題となっていました。
さらに、立入区域や持ち込み機材に関する施設側の運用基準があるため、機器構成そのものを現場条件に合わせて検討する必要があります。
電磁波レーダ(iRadar法)による探査
ADSPIREでは、電磁波レーダで取得したデータに最先端ディジタル信号処理を施すことで、鉄筋からの強い反射に隠れて見えづらかった箇所を鮮明に表示します。これにより、配筋下にある埋設物や接近した埋設物についても、その位置を判断しやすくなりました。
探査結果は、あくまで改修・穿孔作業前の判断材料としてご活用いただくものです。非破壊探査には現場条件による限界があるため、埋設物の判定を支援し、損傷リスクの低減に寄与する位置づけとしてご提案しています。
同一箇所での計測データ比較
同一箇所で取得した計測データを比較し、過密配筋の奥側にある埋設物や、互いに接近している埋設物に対する表示の違いを確認しました。
過密配筋下の埋設物
過密配筋の奥側にある埋設物も鮮明に表示し、位置の把握を支援します。
比較対象機
ADSPIRE
接近した埋設物
近接している埋設物も鮮明に表示し、埋設物の判定を支援して損傷リスクの低減に寄与します。
比較対象機
ADSPIRE
- 測定箇所
- 同一箇所
- 対象物
- 鉄筋
- 解析条件
- 各機種の標準設定
- 使用機器
- ADSPIRE 01 / 比較対象機
※本ページに掲載している計測データは、原子力発電所関連施設で取得したものではありません。原子力関連施設で取得したデータは情報管理上の制約により一切公開できないため、一般構造物などで別途取得した類似データを、表示例としてご紹介しています。
※表示結果は、測定機器、設定条件、対象物の材質・深度、配筋状態、コンクリートの含水状態などによって異なります。本比較は、すべての電磁波レーダ装置に対する性能上の優位性を示すものではありません。
※掲載している計測データはADSPIRE 01によるものです。
原子力関連施設の深部探査を見据えたADSPIRE 02
後継モデルADSPIRE 02では、深度表示レンジを最大900mmまで拡張しています。
ADSPIRE 02では、ハードウェアの刷新とノイズ低減技術により、深度表示レンジを最大900mm(比誘電率による)まで拡張しています。厚いコンクリート躯体や深部埋設管など、従来モデルでは判読が難しかった領域での識別性向上を図っています。
探査可能な深度や測定精度は、躯体厚さ、配筋状態、対象物の材質・深度、含水状態などによって異なるため、実際の現場条件を確認したうえで適用可否をご提案します。
※「深度表示レンジ最大900mm」は表示可能な深度範囲を示すもので、当該深度にあるすべての対象物の検出を保証するものではありません。
遠隔操作ロボットを組み合わせた探査
ADSPIREは無線接続に対応しているため、ADSPIREを搭載したロボットを離れた場所から操作し、計測データを取得する構成が可能です。
作業者の立入りが制限される区域や、安全確保が必要な場所において、人に代わってロボットを進入させ、コンクリート内部を探査した実績があります。
※無線方式や運用手順は、施設の運用基準および探査条件に応じた事前確認が必要です。
持ち込み制限に配慮した端末構成
カメラなし端末による運用にも対応
原子力発電所関連施設をはじめとする重要施設では、情報管理や機密保持の観点から、カメラ機能を備えた端末の持ち込みが制限される場合があります。
ADSPIREでは、現場の端末持ち込み条件に応じて、カメラを搭載しない端末を使用した構成にも対応できます。撮影機能を必要としない端末を選択することで、施設内の運用ルールに配慮しながら計測を行えます。
※使用できる端末や接続方法については、施設の運用基準および探査条件に応じた事前確認が必要です。持ち込み可否の最終判断は施設側の基準に基づきます。
原子力発電所関連施設での調査・技術指導実績
原子力発電所および原子燃料サイクル関連施設において、コンクリート内部の配筋・埋設物探査や、現場での技術指導を行っています。
調査実績
柏崎刈羽原子力発電所、島根原子力発電所、東海第二発電所、福島第一原子力発電所、再処理工場(六ヶ所)
技術指導実績
柏崎刈羽原子力発電所、再処理工場(六ヶ所)
※実績は順不同です。記載内容は当社による調査・技術支援実績を示すものであり、各施設運営者による当社製品の推奨・認定を示すものではありません。
よくあるご質問
原子力発電所でも電磁波レーダによる鉄筋探査はできますか?
原子力発電所および関連施設において、電磁波レーダ(iRadar法)による鉄筋・埋設物探査を実施した実績があります。ただし、実施可否は施設側の立入・持ち込み条件や作業計画に基づくため、事前に現場条件を確認したうえでご提案します。
過密配筋の奥にある配管も探査できますか?
ディジタル信号処理により、鉄筋からの強い反射に隠れて見えづらい領域の表示を改善しています。本ページの計測データでは、過密配筋の奥側にある埋設物の反応が分離して表示された例をご紹介しています。
ただし判別できる範囲は、配筋間隔、かぶり厚さ、対象物の材質・深度、コンクリートの含水状態などによって異なります。
非金属管(塩ビ管・CD管)は電磁波レーダで確認できますか?
非金属管は金属に比べて反射信号が小さいため、従来は判別が難しい対象でした。iRadar法では反射波の特性を解析することで表示の識別性向上を図っており、条件によっては位置の把握が可能です。
管径、深度、周囲の配筋状態、管内の充水状況などにより結果が変わるため、事前に条件をお知らせいただいたうえで適用可能性を検討します。
X線探査ができない場所ではどのような方法がありますか?
管理区域の制約や周辺作業との干渉によりX線探査を適用できない場合、片面からの計測が可能で放射線管理を必要としない電磁波レーダ法が選択肢になります。壁・床・天井のいずれにも適用でき、探査結果はその場で確認できます。
一方で、判別できる対象や深度には条件による限界があるため、目的に応じた手法の組み合わせをご相談ください。
カメラ付き端末を持ち込めない施設でも使用できますか?
カメラを搭載しない端末を使用した構成にも対応できます。撮影機能を必要としない端末を選択することで、施設内の持ち込み条件に配慮した運用が可能です。
使用できる端末や接続方法は施設の運用基準によって異なるため、事前確認をお願いしています。
原子力関連施設で探査できるか、現場条件から確認します
探査の可否や必要な機器構成は、躯体厚さ、配筋状態、対象物の材質・想定深度、施設側の立入・持ち込み条件などによって異なります。現場条件を分かる範囲でお知らせいただければ、ADSPIRE 02を含めた適用可能性を検討します。
- 施設・構造物の種類
- 調査対象部位(壁、床、天井など)
- 想定される躯体厚さ
- 確認したい対象物(配管、電線管、鉄筋など)
- X線の使用可否
- 立入制限や持ち込み制限の有無
- 図面、既存の調査結果
- 希望時期
※探査可否および測定精度は、躯体厚さ、配筋状態、埋設物の材質・深度、含水状態などの条件によって異なります。探査結果は作業前の判断材料としてご活用いただくものであり、作業の安全を保証するものではありません。